2011年4月9日土曜日

職業に貴賤なし(石田梅岩)

石田梅岩氏は、江戸時代の士農工商の階級社会に生き、商人道を説いた。その中で最も有名な言葉が「職業に貴賤なし」だろう。

今も受け継がれるこの理念は、ドラマ「踊る大捜査線」の「事件に大きいも小さいもない」と同じで、自らのプロフェッショナリズムを鼓舞する、魂ある言葉だ。

私も、勤務する会社の中で、社長と平社員の仕事の間に貴賤はないと考え、日々の仕事をしている。地位や給料の高低で見るのではなく、目の前の職務を全うするという意味でどちらの仕事も平等に尊いからだ。

ここで重要なのは、人が「職務を全う」した時に初めて尊いとされるのであって、全うせぬ者はこの理念を口にする資格はない。

年収や地位で人が評価される現代は、士農工商に代わる新たな階級社会か(人の心に巣食う差別心を満たしガスを抜くための必要悪なのかもしれない)。

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